多摩エリアには、26市・3町・1村の自治体があります。それぞれの顔である市町村章をご祝儀袋の飾り紐「水引」で表現していきます。同時に市町村の特徴を見てみましょう。
水引で結ぶ「狛江市章」
『狛江の頭文字である「こ」の字を図案化したものです。中央の白い部分の流線は多摩川の流れを、図案全体として新都市発展途上にある狛江市を表しています。
昭和45年10月1日制定』(引用:小学館「日本の市町村章」p.87)
「狛江市」って、どんなところ?
多摩エリアの南東部、多摩川の中流に位置し地形はほぼ平坦です。全国で面積が二番目に小さく、上空から見ると特産物の枝豆のような形をしています。市の南側はほぼ多摩川に面しており、春には河川敷に桜並木が咲き誇り、夏にはいかだレースや花火大会が開催されます。また昭和 56 年に狛江郵便局において日本で初めての絵手紙教室が開催された絵手紙発祥の地でもあります。小学校入学前まで医療費無料など子育てしやすい環境が作られています。市外局番はほとんどが東京23区と同じ03です。
人口:約8万人 面積:6.39平方キロメートル
市の花:ツツジ 市の木:イチョウ
観光スポット:伊豆美神社、雲松山 泉龍寺、前原公園(とんぼ池公園)
特産品:枝豆、和菓子「鮎のすがた焼き」「よもぎかすてら」「万葉最中」・地酒・こまえ~る
友好都市:新潟県長岡市川口地域、山梨県小菅村
観光大使:近藤春菜氏(芸人)
名誉市民:木村大作氏(映画監督)、小池邦夫氏(絵手紙作家)
将来都市像:私たちがつくる水と緑のまち
市名の由来:朝鮮半島から渡来した「高麗の人が住む入り江」から「狛江」になったという説が伝わっています。もう1つの説として百済国王が高麗人を日本に帰化させた地で「狛(高麗)の里」と呼ばれていたことを由来として「狛江」となったという説もあります。
狛江市のホームページ:https://www.city.komae.tokyo.jp/
狛江市章を結んで
わかりやすい「こ」の字の図案。中央の流線は多摩川の流れを表しているとのことで、全体を多摩川の風景をイメージしながら水引で装飾しました。
「こ」の字の上部には、狛江市と神奈川県川崎市を結ぶ多摩川水道橋を描きました。道路・歩道と水道管が一体となった構造で橋の上に東京都と神奈川県の県境があります。この橋を見ながら、あるいは渡りながら過ごした思い出が、市民の方にはいっぱいあるのではないでしょうか。
また、狛江市には著名な音楽家がたくさん住んでいて、平成18年からは「音楽の街」としての取り組みが進められ、市民による音楽活動も活発に行われています。橋の装飾はピアノの鍵盤のイメージも加えていて、隣にはト音記号を添えました。
実際の多摩川水道橋はエメラルドグリーンが美しいアーチ型ですのでぜひ本物を見に行ってみてくださいね!
「こ」の字の下部には、多摩川50景、新東京百景の一つに選ばれている多摩川五本松を描きました。実際の松は10本以上生えていますが「五本松」と呼ばれているため、松結びも五つ並べています。
この松は、多摩川の堤防を補強する目的で植えられた水害防備林の一部が残ったもので、現在は市民の憩いの場になっています。美しい景観はしばしば時代劇から現代劇、さらに子供向けのヒーロー番組のロケ地としても使用されています。
コンパクトな街の中で、音楽の調べとともに美しい多摩川の景観を眺めていると、心が豊かになりそうですね。
狛江市のますますのご発展をお祈りしています。
水引デザイナー:小松 慶子(こまつ けいこ)
水引の産地・長野県飯田市生まれ。東京都八王子市育ち。小5の夏休みに自由研究で「飯田水引」と出会う。法政大学社会学部社会学科卒業。ECサイト運営会社を経て、WEBデザイナー/ディレクターとしてIT関連企業勤務中の2015年に「紙単衣 – kamihitoe -」をスタート。
2018年 独立と同時に小金井市に水引アトリエショップをオープン(2020年5月閉店)。自身でECサイトを運営する傍ら各地で水引ワークショップを開催。オリジナル商品の取り扱い店は全国に広がっている。
マーケットを意識した企画協力から、デザイン、パッケージ制作、大量生産まで一貫して引き請け、寺院の授与品や企業のPB商品、ラッピング資材、商業施設の大型ディスプレイアート制作まで幅広く手がける。
第2回 飯田水引コンテスト「飯田水引協同組合賞」受賞。
紙単衣
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