多摩エリアには、26市・3町・1村の自治体があります。それぞれの顔である市町村章をご祝儀袋の飾り紐「水引」で表現していきます。同時に市町村の特徴を見てみましょう。
水引で結ぶ「調布市章」
『ちょうふの「ち」を図案化し、市民の協和と無限に伸展する市勢を象徴しています。
昭和30年10月1日制定』(引用:小学館「日本の市町村章」p.88)
「調布市」って、どんなところ?
調布市は、多摩エリアの南東部に位置し、古くからの寺社や武蔵野の自然を残しつつ都心に近く住環境の整った住宅地です。深大寺には東日本最古の国宝仏(「銅造釈迦如来像」)が所蔵され、3月には日本三大だるま市のひとつ「深大寺だるま市」が開催されます。昭和期には、映画関連施設が多く作られ、“映画のまち”として発展してきました。また、近年は味の素スタジアムの隣に武蔵野の森総合スポーツプラザが完成し、多摩エリアにおける商業及びスポーツ・文化の新たなランドマークとして注目されています。
人口:約24万人 面積:21.58平方キロメートル
市の花:百日紅(サルスベリ) 市の木:くすの木 市の鳥:メジロ
観光スポット:深大寺、神代植物公園、マヨテラス、鬼太郎ひろば
姉妹都市:長野県木島平村
特産品:深大寺そば・深大寺だるまかりんと・深大寺土鈴・深大寺赤駒
名誉市民:本多嘉一郎(元市長)/水木しげる(漫画家)/山田禎一(山田病院院長)/金子佐一郎(元市長)/林和男(野球殿堂)
調布市総合計画:みんなが笑顔でつながる・ ぬくもりと輝きのまち調布
調布市のホームページ:https://www.city.chofu.tokyo.jp/
調布市章を結んで
小学生の時、定期的に京王線調布駅へいく機会があり、よく駅前で立ち止まっては、噴水や宇宙モチーフのからくり時計、そしてタコのすべり台を眺めていました。どれも私の家の近所にはないインパクトで、さすが都心に近い街は違うなと思ったものです。現在は駅前開発が進み、いずれも姿を消してしまいましたが、2020年4月、調布市役所の裏側道路の向い鉄道敷地公園内に、なんとタコのすべり台が復活したそうです。
…というわけで、調布市章をタコのすべり台をイメージした赤色に染めさせていただきました。黒い横線部分は、すべり台には含まれない色ですがタコ墨をイメージしています。黒線の間のあわじ結びは顔、右下の連続あわじ結びは、吸盤風のすべり台の階段をイメージしました。以前の公園は砂地でしたが、新しい公園は芝生となっているようですので、背景は緑とさせていただきました。
市章をタコ色にするなんて内心怒られるんじゃないかとヒヤヒヤしますが、駅前公園の閉園時には調布市主催で「タコのお別れ会」や“映画の街”ならではの地元財団による「さよならタコ公園 映画のまちの公園で野外上映」が催され、約2000人が参加したそうです。駅前で44年間愛されたタコに「市民の協和」を感じる気がしませんか?
調布市のことを調べていて、今回初めて知ったのが、深大寺地域を舞台にした、短編恋愛小説の公募事業「深大寺恋物語」です。15周年を迎えた「深大寺恋物語第15集」(特別記念号)には、第15回公募の受賞作品と直木賞作家たちが書き下ろした「深大寺恋物語」が収録されているそうです。物語を読みながら、参拝したり、おそばを食べたり、実際の街を歩いてみたいですね!
水引デザイナー:小松 慶子(こまつ けいこ)
水引の産地・長野県飯田市生まれ。東京都八王子市育ち。小5の夏休みに自由研究で「飯田水引」と出会う。法政大学社会学部社会学科卒業。ECサイト運営会社を経て、WEBデザイナー/ディレクターとしてIT関連企業勤務中の2015年に「紙単衣 – kamihitoe -」をスタート。
2018年 独立と同時に小金井市に水引アトリエショップをオープン(2020年5月閉店)。自身でECサイトを運営する傍ら各地で水引ワークショップを開催。オリジナル商品の取り扱い店は全国に広がっている。
マーケットを意識した企画協力から、デザイン、パッケージ制作、大量生産まで一貫して引き請け、寺院の授与品や企業のPB商品、ラッピング資材、商業施設の大型ディスプレイアート制作まで幅広く手がける。
第2回 飯田水引コンテスト「飯田水引協同組合賞」受賞。
紙単衣
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