イチゴは春、リンゴは秋。果物には一番美味しい“旬”の季節があります。レモンはと考えてみると、輸入品やハウス栽培のものが多い現状とはいえ、一年中どこででも手に入るイメージ。日本で栽培されたレモンが実るのはいつなのでしょう。
いつでも買えるレモンの秘密
日本国内で露地栽培されたレモンの出荷時期は、肌寒くなってくる10月〜翌年5月頃。秋には黄色くなる前のレモンがまず出荷され、12月にはしっかり色づいたレモンが店頭に並びます。寒い冬から旬がはじまるなんて少し意外ですよね。
一方、ハウス栽培のレモンが出荷されるのは7〜9月。露地栽培の出荷時期と合わせると、6月を除いてほとんど1年中、旬のレモンを手に入れることが可能になっています。
さらに、広島県呉市のとびしま海道・大崎下島では、夏の時期にも露地栽培の国産レモンを食べられるよう、1〜2月に収穫した「大長レモン」を果実の鮮度を守る特別な袋で個包装して出荷しています。農家さんの工夫と技術の力で、一番美味しいレモンがいつも私たちの元に届いているのです。
2ヶ月だけ収穫できる“グリーンレモン”
10月と11月、黄色くなる前に収穫したレモンは別名“グリーンレモン”と呼ばれています。熟れる前の未完成品かと思いきや、黄色いものよりフレッシュな酸味が感じられる上、香りも高いとあってファンが多いのです。収穫できる時期が短いため、とても貴重なプレミアレモン。ドリンクに入れて爽やかな緑色を目でも楽しんだり、ジャムやドレッシングなどにアレンジするのもおすすめです。季節になったら、今年はぜひお店で探してみてください。
Member:國廣
Illustration/白木春菜