子どもから大人まで、見るとなんだか気分が上がること間違いなし!
多くの人が大好きなイチゴ!
ショートケーキの上にちょこんとのっていたり、イチゴジャムなどの加工品はパンに塗って食べたりと、お菓子から食事まで幅広い形で親しまれています。
甘みと酸味のバランスや、大きさなどの特徴は、品種によってさまざまです。中でも5大品種としてあるのが「あまおう」「紅ほっぺ」「とちおとめ」「さちのか」「さがほのか」が挙げられ、この5つの品種で全生産量の8割近くを占めているそうです。
この度、都オリジナル品種「東京おひさまベリー」の域内流通促進に向けた情報交換会に編集部が行ってきました!
東京で新しい品種が生まれ、多くの家庭に届くことが待ち望まれています。
今回の記事では、「東京おひさまベリー」開発ストーリーとともに、地域の企業の協力により作られた試作品をご紹介します。
「東京おひさまベリー」開発ストーリー
東京おひさまベリーとは
2019年3月に品種登録された、東京オリジナルの露地栽培用イチゴです。
露地栽培とは、屋外の畑で栽培する方法で、家庭菜園としても育てられるため気軽に始められます。一方、現在流通するイチゴのほとんど(98%以上)がビニールハウスでの促成栽培だそうで、クリスマスの時期、ショートケーキの上にあるイチゴはハウス栽培のものだそうです。
露地栽培の新品種を開発することになった経緯として、従来の主力品種である「宝交早生」以外に選択肢がない状況で、雨に当たるとすぐに傷んでしまうなどの問題を抱えていたそうです。現場からも果実が大きく、傷みにくい、東京オリジナル品種をという要望もあり、開発に至りました。
長きに渡った研究がついに実る
一年で1作しか栽培ができないことから、より良い交配を繰り返すため、長い年月が開発には必要となり、納得のいくものが出来るまで結果的におよそ
20年の開発期間がかかったということには驚きました!
実際に栽培している農家さんからの反響として、2019年試験栽培を行った生産者へ東京都がアンケート調査を行ったところ、65%の方が総合評価で「満足」または「やや満足」との回答が示されました。
体験農園の入園者向けに良いのではないか、また、加工製品への期待や洋菓子店や飲食店のチャネルで商品開発を望む声もあり、今回の情報交換会の開催につながったそうです。
「宝交早生」に変わるヒット商品となれば、60年ぶりの快挙!
新たな東京ブランドを目指して、大きな一歩を踏み出しています。
プレス発表資料
https://www.tokyo-aff.or.jp/uploaded/attachment/4306.pdf
加工品(試作品)のご紹介
加工業者、飲食店からの試作品のご紹介とともに、実際に試食してみての感想を合わせて述べさせていただきます!
加工事業者と試作品
・株式会社シュクレイ
東京おひさまベリーのバタークリームサンド
・洋菓子マロニエ
東京おひさまベリーのほっぺ
・東京野菜キッチン スコップ
東京おひさまベリーのチェッロ 東京おひさまベリーのバルサミコ煮込み
・株式会社エマリコくにたち
東京おひさまベリーのジャム入りミルク飴
東京おひさまベリーのバタークリームサンド
株式会社シュクレイ 山口浩二氏
「おひさまベリーを煮詰めて、さらに味を凝縮させている」
「合わせるものは、バターと多少の砂糖でバランスをとっているが、おひさまベリーの香りなどの良さをしっかり流通菓子としても成り立たせるところで味付けをしている」
編集部の感想
厚みもあり満足感のある存在感。
クッキーはしっとりしていて、ボロボロと崩れることはありませんでした。
おひさまベリーを煮詰た、味の凝縮されたジャムが混ぜ込まれたバタークリームは、イチゴのつぶつぶ感が残っておりながら、口当たりがなめらかで絶品でした。
東京おひさまベリーのほっぺ
洋菓子マロニエ 大石修氏
「非常にソフトな口当たりのスポンジカステラの中に、おひさまベリーのムースが入っている。イチゴを冷凍したものをフランベした状態で生クリームと合わせている」
「おひさまベリーを最初に食べた時に感じたのは、酸味の強さと香り」
編集部の感想
フワフワのスポンジと中のムースも柔らか過ぎず絶妙なバランス!
素材の酸味が残るムースとカスタードクリームの相性も抜群でした。
東京おひさまベリーのチェッロ
東京おひさまベリーのバルサミコ煮込み
東京野菜キッチン スコップ 星野允人氏
「レストランが作る加工品ということで2種類用意させていただいた」
「イチゴのデザート以外の可能性を見出すことができればうれしい」
東京おひさまベリーのチェッロ
東京野菜キッチン スコップ 星野允人氏
「ものすごく香りが強かったので、香りであったり風味を余すことなく使えるものは何かないか考えたところ、イタリアのリキュールのチェッロの作り方を参考にした」
「他にもミルクで割ったり、デザートの風味づけにしたり、原材料としても使える多様性のあるものとなっている」
編集部の感想
中まで赤い東京おひさまベリーだからこそ、その色はとても鮮やかで、香料や酸味料を加えないシンプルな製法であることから、ストレートで飲んでもクセが少なく、ソーダ割の方はよりイチゴの華やかな香りが口いっぱいに広がりました。
東京おひさまベリーのバルサミコ煮込み
東京野菜キッチン スコップ 星野允人氏
「バルサミコの香りに負けないような東京おひさまベリーの香りや風味が残っている」
「お肉のソース以外にもオリーブオイルであったり、少し薄めていただいてドレッシングにしたり、加糖していただければヨーグルトやパンケーキなどにも使用できる」
編集部の感想
お話の通り、バルサミコの酸味に負けないイチゴの酸味・香りがあり、果肉が残っている部分とともに手羽元をいただくと、お肉の脂身とイチゴの甘さの相乗効果もあり、調和が取れた味わいでした。
東京おひさまベリーのジャム入りミルク飴
株式会社エマリコくにたち 菱沼勇介氏
「ジャムを中に練り込んだミルク飴で、東京産の牛乳を使っており、外側も東京産、中も東京産となっている」
「空港などで販売することができれば、東京土産になるのではないか」
編集部の感想
小さい子どもも大好きな甘い味わい!
舐め終わった後も、口の中にイチゴの香りが余韻として残り、毎日どこにいてもイチゴを楽しみたいイチゴ好きにはたまらない商品です。
今後の流通に向けて
農家さんが一所懸命育てたものが、小粒だからといって安く売られてしまうのではなく、生産者の一つの柱になっていくような品目に「東京おひさまベリー」がなるには、加工品としての新たな価値が非常に重要になってくるとのこと。むしろ小さい方が加工品に向いているということも加工業者さんの声にありました。
また、「東京おひさまベリー」の価値をどのように消費者に届けるかについて、東京おひさまベリーに限らず、地産地消だと樹上完熟しているというところをしっかり伝えることができるかが大事で、1度食べていただければリピートにつながるという意見や、加工品に関して期間限定での販売をすることで価値が高まるのではないかという意見も出ました。
「おひさまいっぱい旬にいただくイチゴです」
これは東京おひさまベリーのキャッチコピーです。今回、加工品を試食してみて、やっぱり生のものも実際に食べてみたい気持ちが湧いてきました。おひさまのエネルギーを受け取ったイチゴを早く食べたいですね!是非、直売所などで手に取ってみたり、自家栽培にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
「東京おひさまベリー」栽培マニュアル〈暫定版〉
https://www.tokyo-aff.or.jp/uploaded/attachment/8705.pdf
「東京おひさまベリー」に関する情報や、加工品の詳細は、2021年4月に発売予定のBALL. VOL.3でご紹介させていただく予定です。
編集部 須崎