ProjectStory#1  レモンの懐(ふところ)

ProjectStory#1 レモンの懐(ふところ)

 “立川とびしまレモン”を作ろう

COLLECTION第一弾として始まったレモンプロジェクト。

爽やかで明るいイメージを持ち、飲食を始め幅広く活用できるレモンの懐(ふところ)を借りて、まちに元気を生み出していく企画です。例えば、お土産のリデザインやレモンをテーマにしたお祭りの開催。“レモン”を素材として、いくつもの企業や団体とコラボレーションしたプロジェクトが動き始めました。

その皮切りは立川。市内26の商店会が集まって結成される立川市商店街連合会で、2018年、立川レモンプロジェクトが立ち上がりました。国産レモン発祥の地・広島県呉市とびしま海道の農家さんたちと連携して、都市農業も盛んな立川の畑で“立川とびしまレモン”を育てています。

『何でレモンなの?多摩や立川と関係あるの?』Project Storyの連載では、きっと誰もがそう思ってしまう不思議な組み合わせを紐解きながら、立川ととびしまの出会いから紡がれ始めたストーリーをご紹介します。

畑を通って吹く風は、本当にレモンの香りがする
大切に育てたレモンは、一つひとつ手作業で収穫

“黄金の島”から海を渡って

連載1話目の今回は、立川レモンプロジェクトが辿ってきたあらましをお話します。

そもそもの発端は、立川市商店街連合会の面々が『立川をもっと盛り上げたい!』と考え、その方法を模索していたことでした。その時点では、実はレモンはまったくの無関係。紆余曲折を経てたどり着いたのが、『飲食店の多い立川をレモンで盛り上げられないだろうか』というアイデアだったのです。汎用性の高いレモンなら、飲食店だけでなく、商店会にある多様な業種の店舗や企業が商品開発などの形で加わることができます。

けれど、率直に言うなら、使いやすさを理由に選び取ったレモン。いざ何かしようと思っても、取ってつけたような見え方になってしまう。まちを盛り上げようという熱意はあっても、レモンである理由が欠けていると結局はお客さんを含めた人を動かす力が乏しく、頭を悩ませていました。そんな中で転機となったのは、“黄金の島”の別名を持ち、国産レモン発祥の地といわれる広島県呉市の「一般社団法人とびしま柑橘倶楽部」との出会いでした。

食の安心安全という観点から、国産レモンへの注目度は年々上がっているものの、販路、後継者不足、そして2018年7月の西日本豪雨による被害など、普及に向けてたくさんの目標や課題を抱えていました。それぞれのまちの状況について言葉を交わす中で、『レモンを通して、立川ととびしまの両方を元気にしていこう』と、2つのまちの想いを乗せた企画が立川レモンプロジェクトとして走り始めました。

 

情熱とプライドを感じる「とびしま柑橘倶楽部」の背中
広島県呉市の畑に、立川のレモンの木第一号を

集まれ、プロジェクトメンバー

走り始めた後のスピード感は、プロジェクトメンバーでも追いつかないほどの勢い。2018年10月には、立川市内の「なかざと農園」に、とびしま海道の島で育った“とびしまレモン”の3本の苗木が届きました。レモンにとって立川は寒冷地。栽培に成功すれば、呉市で急務となっている冬場の防寒対策にノウハウを活用できます。西日本豪雨による被害を受けた呉市の農家を応援できるよう、農業用IoT技術を駆使した実証実験を兼ねて栽培を行い、とびしま生まれ立川育ちの“立川とびしまレモン”の出荷を目指しています。

現在の立川レモンプロジェクトは、立川市商店街連合会・商店街研究会との連携事業として、株式会社まちづくり立川を中心に結成したBAAALLメンバーが動かしています。目下、何をしていくのか、どう進めていくのか考えている最中。まずは、とびしま育ちのレモンを使い、お土産品の開発や商店街店舗でのオリジナルメニュー提供をスタートしました。立川と、とびしま。レモンで2つのまちを盛り上げていけるように、これから様々な企画を発表していきます。

そして、2019年3月にはメンバーでとびしまのレモン畑を訪問しました。現地で知ったとっておきのレモンの食べ方や瀬戸内の風景も、この連載でご紹介していきます。

 

植樹に来られていた広島県飲食店チームの皆さんと一緒に

「立川レモンプロジェクト速報!」

グランデュオ立川20周年 イベントマルシェ

プロジェクトから生まれた新商品や、瀬戸内“黄金の島”産の立川とびしまレモンを揃えてイベントに初出店します。
2019年4月17日(水)~23日(火) 10:00~21:00 ※最終日は19:00まで
グランデュオ立川1Fイベントマルシェ
https://www.granduo.jp/tachikawa/


Writing/國廣愛佳
Photo/寺島由里佳

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