mökkiの森におかえりなさい#2 地球の学校ベンチづくりプロジェクト

mökkiの森におかえりなさい#2 地球の学校ベンチづくりプロジェクト

東京都、檜原村。『BALL.VOL.1』から引き続き、『mokkiの森』プロジェクトをご紹介します。
今回は、mokkiの森を舞台とした「地球の学校 ベンチづくりプロジェクト モニターツアー」をBALL.編集部の川鍋がレポートします。登山初心者ですが、親子で森の中の非日常を味わえた貴重な1日、どんなベンチが完成したのでしょう?

このツアーのナビゲーターは、OSOTO(https://osoto.co.jp/)の「ゆかんこさん」、「みつかる+わかる」一般社団法人 みつかる+わかる (mitsukaruwakaru.com)代表の市川力さんこと「おっちゃん」、そして、東京チェンソーズ東京チェンソーズ (tokyo-chainsaws.jp)の青木さんこと「たいちょう」。オープニングでの挨拶は皆さんの優しくて元気な雰囲気が伝わり、このツアーが楽しい予感満々!

失敗なんてないよ!

今日作るベンチはプロトタイプ、つまり試作品。だから、失敗を怖がらなくていいし、そもそも失敗ってないんだよ。ちゃんとしたモノ作ろうなんて思わなくていいんだよ!こんなのあったらいいな、作ってみたいな、をいっぱい想像して、できることからやってみよう!という説明からスタート。 みんなでmokkiの森に向けて、1時間ほど山道を歩いていきます。

実は登山はほぼ初心者の私。高尾山にはたまに行きますが、いつも張り切ってケーブルカー(笑)。そんな私でも普通に歩ける程度の山道。時折、湿った葉っぱが重なる箇所もあるので、滑らないスニーカーや登山用靴だと安心です。
山道の自然の中から、ベンチのアイデアを探してみよう!と前へ進みます。最初は「帰りたい~」と言っていた子も、だんだんご機嫌に。途中、「こんな傾斜も良いベンチになるね!」とおっちゃん。

紅葉した葉、光が差し込む道、時折マスクを外し吸い込む新鮮な空気、日ごろの疲れが取れていくようです。

そろそろ歩き疲れたなと思うころ、mokkiの森に到着!開放的なラウンジが森の中に出現。靴を脱いで中に入ると、通り抜ける風と目の前に広がる景色がサイコー!

経験から生まれるアイデア

各自好きな場所でお昼を食べたら、いよいよベンチづくりスタート!みんなのアイデアを発表するのですが、どんな意見も「それいいね!」「そんな考えおもしろいね!」と全てを受け止めてくれるおっちゃん。ちょっと恥ずかし気な子が「別に…」と言っても、「別にか!僕、そういうのも好きなんだよね~」と、押し付けず、でも置き去りにしない温かさが感じられます。子どもの可能性を伸ばす声掛けってこうなのかと勉強になります。大人だって「いいね!」って言われたら嬉しいですよね。

坂道用の斜めのベンチ、紅葉のベンチ、ベンチそりなどは森を歩いてきたからこそ生まれたアイデア。じっと座っているだけでなく、歩いて見る景色や体験から発想が生まれることを証明しています。

「周りの人に相談したり協力してもらいながら、できることやってみよう!」と作業開始。丸太や端材を利用して作っていきます。

こんな大きなノコギリ、なかなか使う機会がないのでとても貴重な体験。

チェンソーを鮮やかに操る青木さんに「すごーい!!かっこいい!」と大人もくぎ付け。

制作の1時間半があっという間に過ぎたら、みんなの作品のお披露目会。正直、こんなにみんなが作れたことが驚きで、そのアイデアに感動すら覚えます。自分の作品を誇らしげに発表する子、恥ずかしそうに控えめな子。どの子も、きっといい思い出になるに違いありません。

これから育てる森での1日が親子の思い出に

最後に、ゆかんこさんから「このmokkiの森は10年、20年かけてみんなで育てる森。これから、ここでやってみたいこと聞かせて!」という問いが。

林の間の空中に道をつくりたい

いろんな色のベンチをつくりたい

今度は斧で木を切ってみたい

木と木をつなぐ滑り台を作りたい

など、たくさんの意見が出ました。中には、「チェンソー講座やってほしい!女性にカッコいい!と言われたい」という大人も(笑)。 「みんな、サポートしてくれた人、そして地球に拍手!」とツアーを締めくくるゆかんこさん。地球に拍手っていい言葉ですよね。

そろそろ親から離れていくお年頃の娘。同行するお友だちがいたから参加したツアーでしたが、1日一緒に過ごせたことは親の私にとって貴重な経験になりました。

Photo:Yuka Watanabe
Text:Yuko Kawanabe

Mokkiの森はこちらから

地球の学校プロジェクト

株式会社OSOTO 代表取締役社長・カメラマン

檜原村森林サービス推進協議会 事務局長
わたなべゆか(通称:ゆかんこ)
行政書士として監査法人にて法務コンサルタントを行なっていたが、妊娠出産を機に退職、2018年1月、カメラマンであった祖父の元で子どもの頃から写真を学んだ経験を活かし、baby、kids、family専門フォトスタジオをオープン。幼少期はキャンプや海遊びで自然の中で過ごし、20代から趣味の波乗りを通じて多くのことを学んだ経験から、自然の中でこそ本当の自分、本当の笑顔に出会える。ということを多くの子供達へ伝えたい!と2018年7月株式会社OSOTOを設立。「我が子にさせたい自然体験とは?」をテーマに、家族の成長の場を提供する。

株式会社東京チェンソーズ 代表取締役

檜原村森林サービス推進協議会 代表
青木 亮輔(あおき りょうすけ)
大阪府此花区出身。東京農業大学林学科卒。1年間の会社勤めの後、「地下足袋を履いた仕事がしたい」「後継者不足の林業なら自分にも活躍の場があるのでは」と、林業の世界へ。内閣府規制改革推進会議農林WG専門委員。檜原村木材産業協同組合代表理事。檜原村林業研究グループ「やまびこ会」役員。(一社)TOKYOWOOD普及協会理事。ツリークライミング®ジャパン公認ファシリテーター。日本グッドトイ委員会公認おもちゃコンサルタント。東京未来ビジョン懇談会メンバー。1976年生まれ。 【目標】林業に縛られず、林業にこだわる  (株)東京チェンソーズHPより