多摩結び#23 外へ飛躍しようというイメージを表現し、新しく発展していく「東久留米市章」

多摩結び#23 外へ飛躍しようというイメージを表現し、新しく発展していく「東久留米市章」

多摩エリアには、26市・3町・1村の自治体があります。それぞれの顔である市町村章をご祝儀袋の飾り紐「水引」で表現していきます。同時に市町村の特徴を見てみましょう。

水引で結ぶ「東久留米市章」

水引で作った東久留米市章

『「東久留米」の「ひ」の字をメカニックにデザインし、円という静止の状態から外へ飛躍しようというイメージを表現し、新しく発展していく東久留米市を象徴しています。
昭和45年10月1日制定』(引用:小学館「日本の市町村章」p.88)

「東久留米市」って、どんなところ?

多摩エリアの北東部、武蔵野台地のほぼ中央に位置しています。市の中央を黒目川・落合川が東西に流れ、川沿いの至る所に湧水が見られます。落合川と南沢湧水群は東京都で唯一「平成の名水百選」に選ばれました。また、西武池袋線東久留米駅西口2階の富士見テラスは、平成17年10月に国土交通省による「関東の富士見百景」に選定されました。昭和30年代から大規模団地が複数建設され、豊かな自然に囲まれながら、ファミリー層を中心に多くの住民が暮らす住宅都市として発展し続けています。
2020年、東久留米市は市制施行50周年を迎えました。

多摩エリアの地図。東久留米市にフォーカス。

人口:約12万人 面積:12.88平方キロメートル

市の花:ツツジ  市の木:イチョウ 市の鳥:オナガ

観光スポット:竹林公園、多聞寺、富士見テラス
特産品:大根・ほうれん草・シクラメン・柳久保小麦
地域間交流:群馬県高崎市榛名地域
総合計画のフレーズ:“自然 つながり 活力あるまち”東久留米

市名の由来:明治22年(1889)に久留米村が誕生しましたが、その名称は市内を流れる「久留米川」から付けられたというのが一般的な説です。
現在の黒目川は、江戸時代の文献や石碑に「久留目川」・「来目川」・「来梅川」と書かれており、明治政府が編纂した『皇国地誌』には「久留米川」と記されています。このように、普段親しまれていた川の名前が村名になるほど東久留米は水の豊かな場所なのです。昭和45年(1970年)に市制が施行されますが、福岡県久留米市と行政的な混同を避けるためや、当時の町民から親しまれていた駅名の「東久留米」を希望する声も多く、現在の市名が決定されました。

東久留米市のホームページ:https://www.city.higashikurume.lg.jp/

東久留米市章を結んで

水引で結んだ東久留米市章

ひらがなの「ひ」の字をメカニックにデザインすると、このような形になるのですね。「円という静止の状態から外へ飛躍しようというイメージを表現している」と聞くと、確かに「ひ」の字が飛躍したくてうずうずしているように見えてきます。

市内の湧水をイメージして、水引市章の「ひ」の字は水色に染めさせていただきました。水面の光や波紋、気泡を想像しながら「ひ」の字の面に輪の飾りを結んでいます。飛躍しようと躍動する動きに合わせて輪が動き、弾け、次々に新しく生まれ変わる姿を思い描いています。

東久留米市といえば、数年前にひばりヶ丘団地内のイベントでワークショップを開催させていただきました。初めて訪れたひばりヶ丘団地は、いわゆる昭和の「団地」のイメージを覆すくらい洗練されていて驚きました。
団地再生事業により、12階ほどの中層マンションと戸建て住宅、公共施設が複合した住宅地区へと建て替えられているのです。建物は最新ですが、樹木は1959(昭和34)年の団地建設当初に植えられた松やケヤキなどをそのまま活かしているので、20メートルほどの大木に成長しています。広い舗道に高層マンションと大木の調和が美しくて、住んでる方の暮らしも輝いていそうと想像してしまいます。
多様な世代の暮らしを支えるコミュニティ形成も進められているそうで、新たな団地モデルがここから生まれていくかもしれません。

あと、東久留米市には小学校の社会科見学で山崎製パン武蔵野工場を見学しました。パンの製造工程をしっかり見学した後にいただいたミルクパンはいつも以上に美味しかったです。市内にはコカ・コーラボトラーズジャパン多摩工場もあり、平常時であれば見学できるそうなので、富士見テラスや竹林公園を散策しながら、いつか行ってみたいと思っています。

東久留米市のますますの発展をお祈りしています!

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水引デザイナー:小松 慶子(こまつ けいこ)

水引の産地・長野県飯田市生まれ。東京都八王子市育ち。小5の夏休みに自由研究で「飯田水引」と出会う。法政大学社会学部社会学科卒業。ECサイト運営会社を経て、WEBデザイナー/ディレクターとしてIT関連企業勤務中の2015年に「紙単衣 – kamihitoe -」をスタート。
2018年 独立と同時に小金井市に水引アトリエショップをオープン(2020年5月閉店)。自身でECサイトを運営する傍ら各地で水引ワークショップを開催。オリジナル商品の取り扱い店は全国に広がっている。
マーケットを意識した企画協力から、デザイン、パッケージ制作、大量生産まで一貫して引き請け、寺院の授与品や企業のPB商品、ラッピング資材、商業施設の大型ディスプレイアート制作まで幅広く手がける。
第2回 飯田水引コンテスト「飯田水引協同組合賞」受賞。

紙単衣
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