多摩エリアには、26市・3町・1村の自治体があります。それぞれの顔である市町村章をご祝儀袋の飾り紐「水引」で表現していきます。同時に市町村の特徴を見てみましょう。
水引で結ぶ「檜原村章」
『檜原の「ひ」の字の図案化したものです。丸の部分は一体化を表し、上部の三角部分は鳥の羽根を図案化し、過疎化が進む中でも村民が沈むことなく一体となって飛躍することを望む図案となっています。
昭和54年4月1日制定』（引用：小学館「日本の市町村章」p.89）
「檜原村」って、どんなところ？
島しょ部を除いた都内唯一の村。村の約9割が森林で、村の約8割が秩父多摩甲斐国立公園に含まれます。奥秋川の清流と奥深い山々には、多くの鳥獣や植物が生息しています。年間約37万人もの観光客が四季折々の大自然を満喫しに訪れます。“日本の滝百選”に選ばれている「払沢の滝」や東京都の“天然記念物”に指定されている巨岩・神戸岩などは、パワースポットとして人気になっています。また式三番叟、神代神楽、囃子、太神楽、獅子舞等の伝統芸能が伝承され、毎年初秋には盛大に上演されます。
人口：約2千人 面積：105.41平方キロメートル
村の花：やまぶき 村の木：ひのき 村の鳥：うぐいす
観光スポット：払沢の滝、都民の森、神戸国際 マス釣場
特産物：ジャガイモ・シクラメン・コンニャクイモ・刺し子・草木染
観光親善大使：玉袋筋太郎さん（お笑い芸人）
檜原村のホームページ：http://www.vill.hinohara.tokyo.jp/
檜原村章を結んで
まるでギリシア文字の「Ω（オメガ）」のように、きれいに左右対象に図案化された平仮名の「ひ」。一体化を表す白い丸部分は、下部の緑部分から上昇していくようにも見えます。
鳥の羽根を図案化している上部の三角部分には、「松結び」を乗せさせていただきました。真冬でも青々とした葉を茂らせる松には、「不老長寿」「永遠の若さ」「勇敢」「向上心」などの意味があります。天災や人類の介入にも負けず、多くの生き物とともに生き続けている檜原村の大自然は、松がもつ意味に似た力強さを感じます。
そして、「過疎化が進む中でも村民が沈むことなく一体となって飛躍することを望む」という強い願いが込められた市章全体を、まばゆい蛍光グリーンで作らせていただきました。
檜原村の面積は、都内で3番目の広さです。縄文時代にはすでに人が住んでいた形跡が発見されていますが、現在の人口は島しょ部を含めても都内でもっとも少ない約2,000人。それなのに、年間約37万人もの観光客が快適に過ごせる環境が整っているなんて、村民の皆さんの一体感の賜物だと思います。特に山々を整える林業や採石業、建設業、また民宿や釣り場、キャンプ場等の観光・サービス業には、長年の知恵と努力が詰まっていることでしょう。
そんな檜原村に移住や定住を考えている方には、お得な助成制度があります。私の知人にも都心から檜原村へ移住した人がいます。田舎暮らしがしたいけど、用事があればすぐに都心へ出られる環境を望んでいる方には、地方まで行かなくても十分満足できるようです。
私はまだ檜原村へ行ったことがないので、近いうちにパワースポットのあるコースを巡ってみたいです。
檜原村の皆様のますますの飛躍を私からもお祈りしています。
水引デザイナー：小松 慶子（こまつ けいこ）
水引の産地・長野県飯田市生まれ。東京都八王子市育ち。小5の夏休みに自由研究で「飯田水引」と出会う。法政大学社会学部社会学科卒業。ECサイト運営会社を経て、WEBデザイナー/ディレクターとしてIT関連企業勤務中の2015年に「紙単衣 – kamihitoe -」をスタート。
2018年 独立と同時に小金井市に水引アトリエショップをオープン（2020年5月閉店）。自身でECサイトを運営する傍ら各地で水引ワークショップを開催。オリジナル商品の取り扱い店は全国に広がっている。
マーケットを意識した企画協力から、デザイン、パッケージ制作、大量生産まで一貫して引き請け、寺院の授与品や企業のPB商品、ラッピング資材、商業施設の大型ディスプレイアート制作まで幅広く手がける。
第2回 飯田水引コンテスト「飯田水引協同組合賞」受賞。
紙単衣
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