レモン図鑑#7  令和のレモネード旋風

レモン図鑑#7 令和のレモネード旋風

 

レモンを使ったドリンクの代表格と言えば、甘くて爽やかな“レモネード”。平成の終わりから令和のはじまりにかけて、日本各地にレモネード専門店が次々とオープンしています。ブーム冷めやらぬタピオカに追随する勢いでトレンドの渦中にあるレモネードですが、実は、17世紀頃にはすでに飲まれていたと言われる歴史あるドリンクです。

世界のレモネード

世界に目を向けて見ると、レモネードと一口に言っても意外にもたくさんの種類があります。例えば、炭酸の入っていないレモン水、レモンスカッシュとも呼ばれる炭酸入り、あたたかなホットレモネード、ネイティブアメリカンがベリーを加えて飲んでいたことに由来すると言われているピンクレモネード。少し変わったところだと、中東などでシャーベットやスムージとしても楽しまれる「リモナナ」は、レモン果汁とミントの葉を使って作るドリンクです。共通しているのは、レモン果汁にシロップやはちみつ、砂糖などを加え甘く仕上げていること。
ちなみに、日本の夏祭りなどで炭酸飲料としておなじみのラムネは、開国により海を渡ってレモネードが日本にやって来たその昔、“レモネード”という発音が“ラムネ”と聞こえたことが名前の由来だと言われています。味は違えど、レモネードは密かに日本文化にしっかり定着していたのです。

小児がん支援の“レモネードスタンド”

レモネードを売る小さな屋台。夏になるとアメリカの街角に登場するレモネードスタンドは、子どもたちがお金の使い方を学びながらお小遣いを稼ぐ方法として定着しています。
その文化が世界に広まったきっかけは、小児がんと闘うある少女が、治療の研究費を病院に寄付するため自宅の庭でレモネードスタンドを開いたこと。それを機に、レモネードスタンドは募金を集める社会貢献のスタイルの一つとして活用されるようになったと言われています。そうしたスタンドでは、値段をつけて販売する場合もあれば、募金として買う人に値段を委ねる場合もあります。
日本では、2016年に「一般社団法人レモネードスタンド普及協会」が立ち上がるなど、色々なイベントでレモネードスタンドの出店が増えてきています。美味しいだけでなく社会貢献にも繋がるレモネード。見かけたらぜひ1杯手に取りたい仕組みです。

(参照:レモネードスタンド普及協会ホームページ)

Member:國廣
Illustration/白木春菜

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