レモン図鑑#3  黄色い処方箋

レモン図鑑#3 黄色い処方箋

 

今回のレモン図鑑は理科の時間。レモンに含まれる成分についてご紹介します。『ビタミンがたくさん含まれているから体に良いんでしょ』と思っているあなた、こんな話は聞いたことがありますか?

「レモン1個分のビタミンC」は間違い?

市販のジュースやお菓子などで、『レモン1個分のビタミンCが入っています!』とうたわれていることがありますよね。実はこれ、1個分ではないということをご存知でしたか?
こういった表記が指す『レモン1個分』は、約20mg。一般社団法人全国清涼飲料連合会なども採用している基準です。ただしこの数字は、果汁に限った話。レモンの果実まるごとに含まれているビタミンCは100g当たり100mg(日本食品標準成分表2015年版(七訂)より)なので、つまり、一般的なレモン1個の重さを120g前後と考えるとビタミンCは120mg含まれていることになるのです。
1個分の果汁に20mg…まるごとなら120mg…ちょっと驚くほどの差ですよね。国産レモンで皮まで食べなきゃ損!という気持ちになってきますね。

レモンポリフェノールの発見

レモンに含まれている成分と言えば、代名詞とも言えるビタミンCと、すっぱい食べ物代表のクエン酸。レモンには、果汁100g当たり6gと、果物の中でも多くクエン酸が含まれています。(農林水産省発行広報誌aff(あふ)2017年1月号より)
さらに、近年注目されている成分が、別名“レモンポリフェノール”とも呼ばれるエリオシトリン。レモンまるごとを粉末にすると、1g当たり10.6mg含まれている成分です(「国内地域特産の香酸カンキツ果実に含まれるフラボノイドの特徴」(2015年/三宅義明)より)。大豆などに含まれているイソフラボンと同じフラボノイドの一種なのですが、レモンには、他の柑橘類よりも断然多くエリオシトリンが含まれているのです。高い抗酸化作用があり、がんの抑制作用なども期待されています。民間薬としても古くから世界各地で使われてきたレモン。美味しさや香りを楽しめるだけでなく、医療の分野でも頼りになる存在なのです。

Member:國廣
Illustration/白木春菜

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