ProjectStory#2 瀬戸内海に浮かぶ“とびしま“

ProjectStory#2 瀬戸内海に浮かぶ“とびしま“

宝物が実るレモンの島へ

2回目のProject Storyの連載は、レモンのふるさと広島県呉市の現地レポートをお届けします。広島県と愛媛県の間、瀬戸内海に浮かぶ島々。広島県呉市の南東に位置する下蒲刈島(しもかまがりじま)から愛媛県今治市の岡村島まで、7つの橋で結ばれているのが安芸灘とびしま海道です。庭園の飛石(とびいし)に例えて名付けられたこの海道は、思い切りひらけた視界から空と穏やかな海の眺めを楽しむことができ、サイクリングやドライブにも人気のルート。本州からとびしま海道に入ると、通りかかる島の斜面のあちこちに柑橘畑が見えてきます。ここは国産レモン栽培の発祥の地といわれているレモンのふるさとです。

2019年3月末、プロジェクトメンバーでとびしまへ
海から吹き上げるミネラルを含んだ潮風はレモン栽培に理想的な要素のひとつ

歴史が繋ぐ“黄金”の風景

とびしま海道の中で、“黄金の島”と呼ばれる島があります。愛媛県との県境側に位置する大崎下島(おおさきしもじま)。面積は18㎢ほどで、多摩エリアで例えると稲城市と同じくらいの大きさです。島の東側にある御手洗(みたらい)地区は、江戸時代から長きにわたって、瀬戸内海を航海する人々が潮待ち・風待ちをする港町として賑わった場所。現在も当時の建造物が多数残っており、歴史的・文化的に貴重な史跡が立ち並ぶタイムスリップしたような町並みが散策の名所になっています。

船乗りたちが夜毎集っていた当時、夜の帳が下りてあたりが暗闇に包まれても、御手洗の町並みにだけは灯りがともっていたそう。きっと、真っ暗な海からは無数の光がきらめく島がポツンと浮かんでいるように見えたでしょう。そんな風景から、大崎下島は黄金の島と呼ばれるようになったのだといいます。

そんな大崎下島には、もう一つの“黄金”があります。それは、遡ること1818年から栽培がスタートしたミカン。第二次世界大戦で麦などの転作が奨励されるまで、島の斜面は一面がミカン畑と言ってもいいほどでした。木々にミカンが実り、太陽の光と海からの反射で島全体が黄金に輝く風景はまさに“黄金の島”。島を表す“黄金”という言葉を、夜の御手洗から形を変えて受け継いできた歴史があるのです。

1994年には国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された御手洗の町並み
青い空と海に際立つ白い灯篭からも歴史が漂う

3つ目の挑戦

そして今、大崎下島では「黄金の島再生プロジェクト」という挑戦が立ち上がっています。柑橘栽培の長い歴史と日本のトップに立つほどの収穫量を誇っていても、生産者の高齢化や後継者不足、そして2018年の西日本豪雨による被害などから、島で稼働している柑橘畑は全盛期の3分の1ほどまで減少しているといいます。

そこで、『再び黄金の島を』との思いで農業従事者と地域活性化を目指す人々が集まり、「一般社団法人とびしま柑橘倶楽部」を発足されました。そうした経緯を持つとびしま柑橘倶楽部と、立川レモンプロジェクトが出会ったことで、国産レモンの栽培や普及を通して自分たちのまちを盛り上げ、伝統を守っていこうとするストーリーが始まったのです。

 

大崎下島にある「みかんメッセージ館」には柑橘栽培についての情報が集まる
小説家・椋鳩十は大崎下島を訪れ手記を出版

次回のProject Storyでは、レモンプロジェクト発足のきっかけとなった立川市商店街連合会の熱い思いに迫ります。


「立川レモンプロジェクト速報!」

立川レモンプロジェクト supported by IKEA立川

IKEA立川のゴールデンウィークイベントにポップアップストアを出店します。プロジェクトから生まれた新商品や、瀬戸内“黄金の島”産の立川とびしまレモンが揃います。
2019年5月4日(土・祝)、5日(日・祝) 9:00〜16:00
IKEA立川 エントランス前


Writing/國廣愛佳
Photo/寺島由里佳

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