新島村(新島・式根島)地域交流ワーケーション体験ツアー1日目

新島村(新島・式根島)地域交流ワーケーション体験ツアー1日目

企業と地域の継続的な関係構築につなげるため、コワーキング施設などでの業務やミーティング、住民や地域企業との交流などを行う東京都総務局主催の地域交流ワーケーション体験ツアー。
2025年10月27日(月)~30日(木)に実施された「新島・式根島」の地域交流ワーケーションツアーに参加してきたので、その様子を編集部・ヤナギサワがレポートします!

新島・式根島とは?


過去に、神津島と大島で取材経験のあるBALL.編集部。今回は、東京都の島しょ部3島目として新島・式根島に発上陸!
遊びではございません、仕事です!

東京都の島しょ部は伊豆七島といって、大島、利島、新島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島からなります。新島は竹芝桟橋から大型客船で8時間30分、高速船で2時間20分、また、調布飛行場からは35分という立地。飛行機を利用すれば、まさにひとっ飛びで到着。近い!大型客船には酔い止めを忘れずに…。

1日目の新島では役場で本ツアーのガイダンスを受け、新島村の観光業など力を入れている産業や課題などのヒアリングをさせていただきました。新島といえば“夏!”ふた昔前は夏の男女の出会いといえば“新島”という時代がありました(50歳前後の人は心当たりがあるはず)。
今はそのようなアバンチュールな話はあまりなく(?)大学生や家族連れで海水浴やダイビングで賑わう素敵な島。そんな新島は東の本村地区、西の若郷地区に分かれていて、小さい島ながらも地域ごとで多少文化が違うとのこと。
昨年は15名の移住者が訪れており、村として「テクラス」という村営住宅の提供を行っています(現在は募集を終了)。

ところで皆さんはご存じだろうか?渋谷駅西口にある「モヤイ像」は新島村出身の彫刻家である大後友市さんが新島の抗火石を使って作っていることを!モアイ像の模倣では決してないモヤイ像についてかこちらからどうぞ。

新島村観光案内所デジタルパンフ
https://niijima-info.jp/map/

まずは観光ポイントに行ってみよう!

新島といえば海である。そして海は美しいミルキーブルー。その美しい景色は、抗火石(こうかせき)という軽石の一種が作り出したもの。

新島などで産出される、火山のマグマが急冷されてできた軽石「抗火石」。

抗火石を100%溶かして作られる世界で唯一の火山石ガラス「新島ガラス」。


抗火石は軽量性、高い断熱性、耐火性、耐酸性などを特徴とし、建材や工業用に幅広く利用されています。そして、根強い人気を維持しているサウナにも大変適した材料。石英を多く含み、それが細かく砕けて白い砂浜となっているため、海がミルキーブルーになっている。この抗火石を溶かすとオリーブ色の新島ガラスになるのだそうです。

お次は新島の東側にある、サーフィンのメッカとして世界的にも有名な羽伏浦(はぶしうら)海岸。なんといっても約6.5キロに及ぶ白い砂浜の海岸がとってもキレイ。本当にキレイ。これも白い流紋岩である抗火石が削られてできた浜で、新島の象徴的なスポットでもある。本当にキレイ。

視察①「初めまして、くさや」

ガイダンス終了後は新島水産加工業協同組合の代表理事組合長・池村さんにお話をお伺いしました。

本業の他にも音楽イベントなども企画している池村さん。「人を呼ぶにも宿がない!」ということで、現在は3軒のゲストハウスも運営。

新島発祥の有名干物といえば!そう“くさや”だ!
“くさや”という名前の理由は、この強烈な匂いで“くさい”から転じたという説が有力らしい。そのままである。その加工場を案内していただけるということで、恐る恐る足を踏み入れたのだった。
くさや初体験。

加工場で出会った、初めまして、くさや。

強烈である!大型客船でストマックが弱っている所に強烈なパンチをくらったような衝撃。「あ、これやばいヤツだ…」本能がそう告げた時、私は細く息をすることに決めた(意味はないのだが)。

ムロアジやトビウオを開き、水で洗い、漬け込んで作られている。

伊豆諸島で貴重な塩を節約するために魚の漬け汁を繰り返し使ったことから、発酵して生まれた独特の匂いと味を持つ「くさや汁」。人間の適応力はすごいもので、2分もすると強烈な匂いにも慣れてくる。乾かしてから焼き、皮や骨を丁寧に処理して製品になる工程を拝見した。

さらに作業をしているお嬢さんと社長の計らいで、初くさやを頂戴することに!ドキドキ。
旨い!旨みが強い!トビウオの方がきっと酒に合う!統計的に20人に1人くらいはどうしてもダメな人がいるらしいのですが、子どもたちもお代わりをしてくる旨さが凝縮されたのがくさやである。なんでも「くさや菌」なるものがあり全てが解明されていないとのこと。凄いぞ、くさや!
島内での消費はもちろんのこと、内地(本州)である築地や浅草などで食べられていたくさや。今は物産展で展開しているらしい。おじいちゃんが昔食べているのを見ていた人が「懐かしい」と感じて食べる若者も多いとのこと。

視察②「素敵なゲストハウス」

二つ目の視察は、空き家をフルリノベーションした、サウナも入れるゲストハウス「エトセトラ」さん。練馬区に本社がある建設会社の支店として運営している。キッチンも完備していて利用者はご家族、カップル、シニアまでとても幅広い利用がある。中にはサウナに入るために訪れる方もいらっしゃるとか。

充実した施設が自慢の「エトセトラ」。

1日目の最後は連絡船「にしき」に乗って式根島へ。式根島には高校がないので通学にも使われる連絡船なのですが、まぁ揺れること揺れること。花やしきのジェットコースターよりも間違いなく怖い!

式根島へ渡ってお寺で瞑想体験

レンタサイクルセンターげんべい

到着後は宿に荷物を置かせていただき、「レンタサイクルセンターげんべい」さんへ。
島の移動はレンタルサイクルがオススメ!最新式の電動自転車で坂の多い島も、本当に楽々進むことができました。式根島の面積は約3.7平方キロ。周囲約12キロ、自転車で2時間もあれば周れてしまう小さな島で、目的地まで10分くらいでスイスイ行けちゃうカワイイサイズの島なのです。

さぁ、まず向かったのは、お寺で行う瞑想体験。
島で唯一のお寺、「式根島法光山 東要寺」の横山住職による説法と瞑想の時間。車の走る音など一切せず、風の音、鳥のさえずり、澄んだ空気を感じながら頭を空っぽにしてみると、都会の喧騒や家族のゴタゴタ、仕事の悩み、日中問題などを一瞬忘れて頭スッキリ!!
ワーケーションの合間のリフレッシュ方法としても大変良いのではないでしょうか。住職のいい意味でユルイ感じも最高でした!

足湯に入りながらテレワークできる島

松が下雅湯
松が下雅湯の足湯

そして、次は楽しみにしていた「松が下 雅湯」。温泉だ、ヤッホー!!
見ての通り一瞬抵抗感が生まれるかもしれない茶色い温泉!個人的には温泉感がありGOOD!
式根島の温泉といえば地鉈温泉なのですが、「松が下 雅湯」は地鉈温泉と同じ泉質である硫化鉄泉を気軽に楽しめるように作られた温泉。なんと!足湯に入りながらテレワークができちゃう!
入浴は無料!!!水着必須。水着がない人は足湯でね!因みに時間の関係で行けなかった地鉈温泉も無料!!!
どうなってんの式根島!!!

そういえば仕事できたことを忘れていた、うっかり。ということで「式根島開発総合センター」でちょっとお仕事。

最終日は個人ワークを行い、帰路に着きました。
新島・式根島は「夏」と「海」の印象でしたが、いわゆる観光オフシーズンの島利用としてワーケーションの可能性を探り、広げるべく参加したワーケーション体験。夏には水着を着た観光客が自転車を乗っている風景があり、きっと爽やかな日差しに満ちた活気ある陽空間のはず。かたや秋から春にかけては島全体が落ち着き、自分を見つめたり、何かに集中したりを楽しめる場所に変わる島の新たな活用を感じたツアーでした。


いやー、その何かの合間に温泉に入ったり、瞑想してみたり、海を眺めてみたり。島の端から端まで自転車で約15分で行けちゃうコンパクトな島でお仕事かぁ。1週間位の中期滞在地として可能性がある!と感じる島なのでした。

式根島のワーケーション情報
https://workation.tokyo-islands.com/shikinejima/shikinejima.html
式根島でのワーケーションに提携している宿泊施設
https://shikinejima.jp/cwspace/inn/

 

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