1つの会社には、さまざまな物語があります。成り立ち、働く人、仕事をしていく上での想い。それは、単なる“募集要項”という条件だけでは伝わりません。その会社が生まれてから現在までのストーリーは、まるで1冊の本のようにドラマがぎっしりと詰まっています。多摩エリアで働く仲間を募集する“求人”を、これから一緒に働く仲間の視点を通してお伝えしていくのが、「1冊の1社」です。
プロフィール
篠川知夏
東京都市大学大学院にて「多摩地域のコミュニティスペース」について研究し、修了後、新卒にてまちづくり立川に入社。現在入社4年目・事務局長。
インターンとしての「まちづくり立川」との出会い
「私みたいな人でもいいのかな」
大学院に進み、地域コミュニティについて学んでいた4年前。漠然と地域活性に関わる仕事に就きたいと思っていたものの、新卒で専門的な知識があったわけでもなく既に別ジャンルの会社に内定していたが、大学院で学んだまちづくり関係の仕事への想いが気持ちの中に残り続けていた。そんな迷いの中、大学のゼミでフィールドワーク先になっていた国立市で、偶然に「まちづくり立川」という会社について知ることになる。
「ちょうど今スタッフを募集してるよ」
たまたま退職するスタッフがいるという話を聞きつけ、不思議と縁があるように感じて一気に興味が湧いた。そのスタッフの方も新卒で入社したということが分かり、未経験の自分でもチャレンジできるかもしれないという希望が見え、あれよあれよという間にインターンで働くことに。
まずは事務作業からスタートすることに
数週間のインターン期間の最初の業務は、打ち込みなどの事務作業を覚えることから始まった。そして並行して商店街の理事会などにも同席しながら、地域の人たちとつながり、そもそも大学のゼミなどで既に近しい体験をしていた私にしてみるとギャップも少なくイメージ通りの業務内容ばかりでホッと一安心。スムーズに仕事を進めていけそうな予感が芽生えながらも、内定が決まっていた会社はそれなりに大きいし、そこでもきっとそれなりに楽しくやれるだろうという想像もできるので迷いが生じる…。どちらの選択が自分にとって正しいのか? インターンを続けながらも悩んでいた。とはいえ、このタイミングで出会ったことも縁ではないか。そして何より、地域に関わって働きたいという想いが強く、このチャンスを逃したら仕事として地域活性に関わる機会はないのではという気持ちが、私の背中を押した。
自分のやりたいことを実現させる
入社を決めたものの、大学院の教授は「小さい会社だと大企業とはまた別の苦労がある。新卒で入社するのは大変なので、上司・同期・部下がいて大きな組織だからこそ学べるところからスタートした方が安心では?」と心配をされた。もちろん、社内にそれぞれの立場の人間がいることで学べることが多い可能性は理解できるけれど、「えいや!」という感じで結局私は自分のやりたい想いを優先させた。
正式に入社してからは、新入社員用に商工会議所の合同研修なども受けることができ、同僚にメールの送り方や電話の応対など基本的なOJTは指導してもらったので最初に抱いた心配は杞憂に終わることとなった。
初仕事は、イベント企画・運営で実践を
インターンを経て正式入社後に初めて関わった仕事は、「立川南フェスタ」というイベントの担当である実行委員事務局の役割。学びながらも実践的にイベントの企画・運営に携われることに、ありがたい気持ちでいっぱいになり、少しずつ芽生えてくる責任感。しかしながら、役員である長井さんがマンツーマンで私についてくれることに感謝しつつも補助金を使った事業だったため資料作成があることに加え、イベント全体のプロジェクトマネジメント業務を担当することから同時進行の多さに思わず漏れるひと言。「マジか、情報量多いな…笑」。
そもそもの仕事の進め方も見えない中、「このことだったら◯◯商店街の人に聞けば分かる」、「◯◯さんに確認を取ってから、その後◯◯会長に聞く」といったような、地域の関係性の中での確認ルートのルールを一つずつ把握していく作業がとにかく大変だった。訳の分からない書類や、関係者とのやり取りの多さににくじけそうになりつつも、とにかく、何度も(というかほぼ毎日)実行委員長である長井さんが助けてくれ、情報を事細かに共有し、相談し、一歩ずつ業務を進めていった。今振り返れば、ここで「報・連・相」の大切さを学んだように思う。
そして「何度も足を運んで直接聞く」というこの期間があったからこそ、商店街の方をはじめとした地域の人と直接関わることができ、私の顔も覚えてもらえて、いろいろと動いている姿を見ていただくことができた。みんな「篠川、ダメだなー」と笑いながらも周りの方が支えてくださったおかげで何とか大きなトラブルもなくイベントを終えることができた。
イベントが無事終了し、打ち上げの飲み会の場で、参加者全員を改めて見た時にこんなにたくさんの人が関わってひとつものを作り上げたんだ、という感動が込み上げてきた。私も一言挨拶をした際、「篠川のおかげだよ!」という(酔いまじりの)声を聞いた瞬間、このイベントに関われて本当に良かったと心から感じて胸が熱くなった。あくまでこの仕事は「黒子」的な役割なので主役は商店街や地域の方々だけれど、調整役として地域に入り込み、地域の方々と一緒に作り上げる私の仕事への評価をこの時に周りの方たちにしてもらえたのだと、今振り返ると感じる。
3年目で気づくとすでに中心的な存在に
まちづくり立川の業務は多岐にわたる。イベントの企画・運営の事務局から経理資料作成などの事務作業、運営しているクラウドファンディングの対応、新しい施設の立ち上げなど。気がつくと3年目ですでに事務局長としての業務を担うことになっていた。大変な分、どんどん人間関係も地域のつながりも広がっていく。自分の得意分野を客観的に分析してみると、「コーディネート力」という答えに辿り着いた。定まってないアイデアを取りまとめ、プロジェクトの流れを集約する。関わる人たちの頭の中を整理するため、まとめ資料を作成する。整理する力=俯瞰力が必要な会社なのだ。
仕事と、プライベートと、その間の緩やかな境界線
常時まわすプロジェクトや案件は5〜6件。頭の切り替えは常に必要で、イベントの運営業務がある場合は土日出社の場合も。平日に振り休を取るものの、この仕事をやればやるほど「趣味はまちづくり」になっていく。4年目となった現在は、時間の使い方にも長けてきたので早めに仕事を終わらせた日は商店街の人たちと飲みに行くこともある。お酒を通すと仕事とは別の顔を知ることができて、地域の人たちとの距離もぐっと近づくことが何よりうれしい。仕事だけのドライな関係ではなく、かといってプライベートで関わるからと馴れ合いにもならずに仕事は仕事できちんとお互いのスタンスを尊重できる。仕事とプライベートが良い意味で線引きされていないことこそが、地域で働く大きな醍醐味だ。
これから一緒に働く仲間に向けて
新卒でも、中途でも、この地域を一緒に盛り上げてくれる仲間には、先輩として業務をしっかり教育していく立場として導いていきたい。現在準備を進めている新しい事業についても、さまざまなアイデアを出し合いブラッシュアップしてこのまちの魅力をともに磨き上げていければという思いが湧いてくる。
この仕事をする上で、必要なものとは何だろう?
最初に思いつくキーワードは「粘り強さ」。自分自身も、今までいたスタッフもその傾向が強いように感じる。そしてたくさんの地域の人たちと関わるコミュニケーション力、全体を見渡せる力、スピード感、そして目上の人が多いので年配の方ともやり取りが得意であること。そのようなことを積極的に学ぼうとする人たちと、これからも地域を盛り上げていきたい。
この会社は、単体では生きてはいけない。役員の方々をはじめ商店街の人たちやイベントに参加してくださる地元の方たち。たくさんの人たちの思いを、希望を具現化するお手伝いをしながら常識にとらわれずに新しいことにどんどんチャレンジしていく。
このまちの人たちを知り、一緒にまちのファンを増やしていける、あなたと出会えることを私は待っています。
募集内容
まちづくり立川
- 募集職種: 事務局スタッフ
- 給与 : 月18万〜 (大学院卒は月20万〜)
- 雇用形態: 正社員 ・勤務時間: 9:00-18:00 休憩1H
- 休日 : 週休2日
- 交通費 : 別途支給
- 各種保険: 社会保険、雇用保険、労働保険
- 新卒、第二新卒の方歓迎
- Microsoft Office Word、Excel、 Powerpointにて書類作成が出来ること
※BALL.WEB MAGAZINEでの募集は終了いたしました。この企業・組織での募集が再度行われたときに、お知らせいたします。