公園から始まる共創の実験場
2025年12月18日(木)、立川のGREEN SPRINGSにある「TOKYO創業ステーションTAMA(StartupHubTokyo TAMA)」で、「Park Innovation Labo OPEN DAY」が開催されました。
本イベントは、都立公園17園を管理するパートナーズグループ(武蔵野の公園パートナーズ、狭山丘陵パートナーズ、多摩部の公園パートナーズ)が主催し、「公園を舞台に、企業と地域の共創をカタチにする」ことを目的としたイベントです。公園という身近な公共空間をフィールドに、企業・団体・個人が集い、「公園をフィールドにして何ができるのか」を共に考える一日となりました。けやき出版も運営サポートとして参加し、イベントの進行やグループワークの補助などを担当しました。


公園からはじまる「未来のしごと」を考える
基調講演では、NPO法人birth 事務局長の佐藤留美さんが登壇し、「公園からはじまる、未来のしごと」をテーマに講演を行いました。
実際の事例を交えながら、公共空間である公園を生かした新しいビジネスや社会実験の可能性、さらには起業や共創につながるヒントについて紹介。参加者にとって、公園をフィールドにした取り組みを具体的にイメージする時間となりました。
個々の体験が対話を生む
講演後は、参加者による企業紹介とともにそれぞれの公園との思い出を共有しました。
子どもとの思い出、日常的に利用している身近な公園など、語られるエピソードはさまざまです。
自分の体験を語ることで、自然と会話が広がり、公園が多様な価値観を受け止めてきた場所であることが浮かび上がりました。
こうした個人的なエピソードが、自然な対話のきっかけとなり、公園という共通の話題を通じて交流が生まれていきました。



付箋がつなぐ発想 ー 未来の公園を描くワークショップ ー
後半では、参加者同士によるグループワークが実施されました。
付箋にアイデアを書き出しながら、大きな紙に貼って議論する形式で進行。
立場や業種の異なる視点の意見交換により、従来の「公園像」を超えるアイデアが次々に生まれました。
発表では以下のようなアイデアがありました。
・1泊2日のサバイバル運動会のように、遊び方を自由に組み立てられるイベント型の提案
・遊び方が決まっていない遊具の設置による創造的な遊び場
・公園にコワーキングスペースを併設し、仕事や学習の場としても活用できるアイデア
・常設でキッチンカーを置いて販売し、地域の食やコミュニティとつながる仕組み
・地域のおじさん世代が気軽に集まれる「おじさん公園」のような交流の場
公園を遊び場だけでなく、学び・健康・共創の場として活用する可能性が視覚化され、参加者の創造的な思考が刺激されました。

OPEN DAYはゴールではなく、スタート
各グループからの発表では、「実際の公園で試してみたい」「現場で検証したい」といった声が多く上がりました。
イベントの最後に交流会の時間も設けられ、人と人のつながりがさらに深まる場となりました。
今回のOPEN DAYは、公園という共通フィールドで“実験をはじめるスタート地点”。
ここで生まれた出会いやアイデアが、公園からはじまる小さな挑戦として、まちや暮らしにどんな変化をもたらしていくのか。
その次の一歩に、これからも注目していきたいと思います。


