多摩エリアには、26市・3町・1村の自治体があります。それぞれの顔である市町村章をご祝儀袋の飾り紐「水引」で表現していきます。同時に市町村の特徴を見てみましょう。
水引で結ぶ「青梅市章」
『「青」の文字を飛ぶ鳥に図案化し、梅のもようを配して、市の飛躍発展を象徴したものです。
昭和26年10月1日に制定』(引用:小学館「日本の市町村章」p.85)
「青梅市」って、どんなところ?
青梅市は多摩エリアで5番目に大きな面積をもち、その6割以上を森林が占めています。御岳渓谷の清流美は昭和60(1985)年に日本名水百選に指定されています。市を東西に流れる多摩川は、市民の憩いの場やレジャースポットとして賑わっています。1967年に始まった青梅マラソンは国内外から約15,000人が参加する日本を代表するマラソン大会です。
人口:約13万人 面積:103.31平方キロメートル
市の花:うめ 市の木:すぎ 市の鳥:うぐいす
基本構想のフレーズ:みどりと清流、歴史と文化、ふれあいと活力のまち 青梅
観光スポット:御岳山、金剛寺、塩船観音寺
親善大使:篠原ともえさん(タレント・デザイナー)
友好姉妹都市:ドイツ・ボッパルト市
名前の由来:青梅市の名前の由来には、平将門がかかわっています。平将門が、青梅の金剛寺あたりを訪れた際に、馬の鞭に使用していた梅の枝を自ら地面に挿し、「願いがかなうなら咲き誇れ、叶わないなら枯れよ」といったところ、梅の枝が根付きました。ところが、この木の梅は青いまま熟さず、枝に残ったまま落ちることがありませんでした。これを見た人々が不思議に思い、この地を青梅と呼ぶようになったと伝えられています。
青梅市のホームページ:https://www.city.ome.tokyo.jp/
青梅市章を結んで
青梅市の情報をいろいろと調べていくうちに、「Ome Blueプロジェクト」にたどりつきました。青梅市の歴史や伝統については詳しく知らなかったので、熟読してしまいました。「青」で統一されたブランディングは粋ですね!プロジェクトの由来となった「藍染」の体験に私もぜひ参加したいです。
水引で作った市章は、藍色よりも明るめの青を使っています。
鳥の胴体部分を亀結びの連続結びで飾っています。亀結びには「これからめでたいことが起こる」という意味を込めています。
青い梅の上を青い鳥が飛ぶ形を見ていると、「青」の文字下の「月」部分が渓谷に見えてきて、川下りレジャーの小舟をイメージして菜の花結びを結ばせていただきました。
青梅市の活動でもうひとつ注目したいのが、梅の里の再生・復興に関する活動です。かつて梅の名所として日本一に輝いていた吉野梅郷に、2009年「ウメ輪紋ウイルス」が発生し、3万本以上の梅樹が伐採されてしまったのです。現在、梅の里の再生・復興を目指して梅樹の再植栽が始まっています。市章のように大きく美しく咲く梅の花を、また見られる日が1日も早く来ますようお祈りいたします。梅樹よ、どうかウイルスに負けないで!
水引デザイナー:小松 慶子(こまつ けいこ)
水引の産地・長野県飯田市生まれ。東京都八王子市育ち。小5の夏休みに自由研究で「飯田水引」と出会う。法政大学社会学部社会学科卒業。ECサイト運営会社を経て、WEBデザイナー/ディレクターとしてIT関連企業勤務中の2015年に「紙単衣 – kamihitoe -」をスタート。
2018年 独立と同時に小金井市に水引アトリエショップをオープン(2020年5月閉店)。自身でECサイトを運営する傍ら各地で水引ワークショップを開催。オリジナル商品の取り扱い店は全国に広がっている。
マーケットを意識した企画協力から、デザイン、パッケージ制作、大量生産まで一貫して引き請け、寺院の授与品や企業のPB商品、ラッピング資材、商業施設の大型ディスプレイアート制作まで幅広く手がける。
第2回 飯田水引コンテスト「飯田水引協同組合賞」受賞。
紙単衣
オンラインショップ:https://kamihitoe.theshop.jp/
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