多摩エリアには、26市・3町・1村の自治体があります。それぞれの顔である市町村章をご祝儀袋の飾り紐「水引」で表現していきます。同時に市町村の特徴を見てみましょう。
水引で結ぶ「羽村市章」
『羽村市の羽の字をもとに、羽村の堰(せき)から噴出する水を円形に、二本の虹で未来に躍進する産業と文化を表し、丸形は市民との融和と団結を象徴しています。
昭和31年10月1日制定』(引用:小学館「日本の市町村章」p.88)
「羽村市」って、どんなところ?
多摩エリアの北部に位置し、多摩川周辺の自然や武蔵野の面影を残す雑木林などの緑につつまれ、住宅地と工業地域のバランスが良い都市です。市の西から南へ多摩川が流れ、江戸時代に開削された玉川上水の取入口があります。春には「はむら花とみずのまつり」が開催され、前期さくらまつりでは玉川上水沿い・羽村堰周辺を中心に約200本の桜が咲き、後期チューリップでは根搦前水田の裏作を利用して植栽された約35万本ものチューリップが咲きます。市の内外から8万人を超える観光客が訪れ賑わいます。
人口:約6万人 面積:9.90平方キロメートル
市の花:サクラ 市の木:イチョウ 市の鳥:アオバズク
観光スポット:羽村市動物公園、羽村取水堰、根搦前水田
特産品:羽村そば・菓子・水はむら・かるたせんべい・兄弟まんじゅう・酒「羽衣の堰」・羽村米・羽~杜ワイン
姉妹都市:山梨県北杜市
キルギス共和国友好親善ボランティア大使:三田りょう氏(演歌歌手)
市名の由来:河岸段丘地の「ハケ」がハケ村となり羽村となったという説と、武蔵野台地の西端、中世における三田氏領の東端にあったため、「ハシ」がハシ村となり、羽村となったという説があります。
将来像のフレーズ:ひとが輝き みんなでつくる 安心と活力のまち はむら
羽村市のホームページ:https://www.city.hamura.tokyo.jp/
羽村市章を結んで
「羽」を水と虹で構成していると読んで、素直に水色と虹色で彩色したら、まるでポップアートのような水引の市章ができあがりました。
「二重の虹」は、“努力が実を結び、幸せがやってくる予兆”という意味があるので、未来に躍進する産業と文化を表すモチーフとしてもぴったりですね。
ちなみに「二重の虹」には、主虹(下)と副虹(上)があり、副虹は主虹の反射でできるため、色の順番が逆になるそうです。作った後でそのことを知って、実は副虹の色の並びは一度作り直しています。
そして、円形の水の端には、菜の花結びを結ばせていただきました。菜の花結びは簡単には解けない結び方なので、市民との融和と団結を象徴する意味とも重なります。
羽村取水堰は、玉川上水の取水堰として承応3年(1654年)から江戸の人々の生活を支えています。部分的にコンクリート作りに改築されているものの、基本的な構造は江戸時代と変わっていないそうです。当時の人々の知恵と技術に驚かされますね。羽村市郷土博物館に玉川上水の詳しい展示があるそうなので、恩恵を受ける都民なら一度は見学したいものです。
もうひとつ水の話で言うと、羽村市の水道水は、市内にある水源から汲み上げた地下水を100%使っているので、おいしくて安心、しかも水道料金が他の自治体と比べて安いそうです。うらやましいですね。
水に恵まれる羽村市のますますの躍進をお祈りしています。
水引デザイナー:小松 慶子(こまつ けいこ)
水引の産地・長野県飯田市生まれ。東京都八王子市育ち。小5の夏休みに自由研究で「飯田水引」と出会う。法政大学社会学部社会学科卒業。ECサイト運営会社を経て、WEBデザイナー/ディレクターとしてIT関連企業勤務中の2015年に「紙単衣 – kamihitoe -」をスタート。
2018年 独立と同時に小金井市に水引アトリエショップをオープン(2020年5月閉店)。自身でECサイトを運営する傍ら各地で水引ワークショップを開催。オリジナル商品の取り扱い店は全国に広がっている。
マーケットを意識した企画協力から、デザイン、パッケージ制作、大量生産まで一貫して引き請け、寺院の授与品や企業のPB商品、ラッピング資材、商業施設の大型ディスプレイアート制作まで幅広く手がける。
第2回 飯田水引コンテスト「飯田水引協同組合賞」受賞。
紙単衣
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