八百屋さんやスーパーでレモンを買ったことがある人は、どのくらいいるでしょう。外食では身近なのに意外と知らないレモンのこと。この連載では、レモンにまつわる知識や雑学をご紹介していきます。図鑑をコンプリートして、目指せレモン博士!
いつも食べているレモンの産地
平成28年の調査によると、日本国内で出荷されたレモンの合計は55,627.574t。多摩動物公園にもいるアジアゾウで例えると、およそ1万頭分にもなります。その内国産は6,333.8t、輸入した外国産が49,293.774tで、国産レモンの占める割合は全体のわずか11.3%。食の安心安全の観点からも注目を集める国産レモンですが、その生産量は約1割に過ぎないのが現状です。
近年では、温暖な西日本を中心に少しずつ生産量を伸ばしている一方で、農家の高齢化、後継者不足、販路開拓などが課題となっています。その壁を打破していくべく、産地ごとのブランド化や加工品の商品開発などに取り組み、各地で国産レモンの普及を目指したチャレンジが行われています。
知ってる? 正しい絞り方入門
唐揚げなどのお料理に、フレッシュなレモンをキュッと一絞り。ときに“レモンかけるかけない論争”を巻き起こすほど好みは分かれますが、どこのお店でも登場するレモンはやっぱり定番。さっぱりとした味になって美味しいですよね。だけど、ちょっと待った。国産レモンの美味しい絞り方、知っていますか?
教えてくださったのは、広島県呉市とびしま海道の大崎下島でレモンを育てる末岡新果園の末岡さん。
実は、イラストのように皮を下に向けて絞るのがおすすめなのです。
レモンの皮をよく見ると、油が入った小さなプツプツがありますよね。実はここに入っているシトラールという成分が、レモンの爽やかな香りのもと。その含有量は、なんと果汁の7000倍(!)ともいわれています。油胞と呼ばれるこのプツプツを潰しながら絞ることで、その香りを最もしっかり楽しめます。安心してこの絞り方ができるのは、育てる過程でワックス・防カビ剤・防腐剤などを使用していない国産レモンだからこそ。お料理だけでなく、レモンサワーを作るときももちろん同じ。きっとその違いに驚くはず。今度レモンを見かけたら試してみてくださいね。
Member:國廣
Illustration/白木春菜