原料はブドウだけ。添加物を一切使用しないビオロジック農法(有機栽培)で作られる「ナチュール」や「自然派ワイン」、「ヴァン・ナチュール」などと呼ばれるナチュラルワイン。
「酸化防止剤が入っていないから頭が痛くならない」「添加物がないからブドウの味がしっかりする」「二日酔いにならない」などといった特徴から日本でも2022年頃にブームが起きましたが、BALL.VOL.5で取材をさせていただいた〈Le Moing TOKYO(ルモアン東京)〉のナチュラルワインは、そんな良いこと尽くしのナチュラルワインの中でも一味も二味も違うのです!
今回、2024年12月22日(日)・23日(月)の2日間で行われた「2024年初冬 一般のお客様向け試飲&販売会(完全予約制)」に参加をしてきたので、改めて〈Le Moing TOKYO〉の魅力を紹介したいと思います。
〈Le Moing TOKYO〉を掲載したBALL.VOL.5「発酵のしごと」はこちら
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〈Le Moing TOKYO〉のワインはフランス・ロワール アンジュ地区産。自然農法(ビオロジック農法)にこだわったブドウの木の剪定から手摘みの収穫・醸造・瓶詰までをすべてナチュラルワインの醸造家であるシリルさん自らが行い、もちろん除草剤、防虫剤、化学肥料は一切不使用。
なんと収穫したブドウを圧搾するのは機械ではなく昔ながらの手動の木製プレスマシン!さらに果汁を運び樽に注ぐ作業も人力によるバケツリレーという、電力も極力使わない、自然環境への配慮を徹底しています。


ナチュラルワインをつくるワイナリーの中でも、ここまで環境に配慮し、すべて手作業で行っているところは多くはなく、当然その分生産量が限られるため、この日並んだ8種類のワインもそれぞれ200本~400本、多くても750本しか年間生産されておらず、1本ずつがとても貴重な出会い!

野生酵母のみを使用して加熱処理を行っていないため瓶内発酵が進み自然発泡している〈Le Moing TOKYO〉のワインたち。ろ過処理をしていないためブドウ由来の濁りと澱がある“生きたワイン”はどれも個性的な味わいで、同じブドウを使っていても畑の場所が違ったり、1年間寝かせることで口当たりの柔らかさがまったく違うという面白い発見が1杯ずつにありました。






シリルさんは、美味しいワインを楽しめるのも、日々仕事や生活に邁進できるのも、すべては地球が健康であってこそとの考えから自然農法を取り入れたワイン醸造に行き着き、ナチュラルワインを通じて自然なライフサイクルを届けたいと考えている醸造家。
ブドウを育む土地を健康にし、健康な土が持つ力を最大限に引き出した、自然の恵みそのままのブドウの味を生産者の思いが詰まったワインはどれも美味しく、〈Grolle Noire 2020〉の後も2種類の赤ワインをいただいたのに好みの1本に出会った衝撃で、まさかの写真撮り忘れ…‼(笑)

こうして最初は何も食べずに8種類のワインを一通り飲み、その後、シリルさんお手製のタプナードとリエットをのせたバゲットをつまみに料理との相性を楽しんだ試飲&販売会。
生産者や参加者のナチュラルワイン愛を目の当たりにして感じたのは、利便性や合理性を求めて日々快適に過ごすことに慣れきっている私たちの生活のこと。それが悪いことではないけれど、ちょっとの気づきや出会いから、例えばワインのような嗜好品からでも背景を考え少しだけ俯瞰して自分を見る、周りについて考える、そんなきっかけになれば素敵だな、という思い駆られたひと時でした。

なかなか気軽に買えない&数は少ないけれど、運が良ければ多摩エリアの飲食店でも〈Le Moing TOKYO〉のワインに出会える店があるので、見つけたらぜひ!1杯飲んでみることを強くおすすめします!
ルモアン東京
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