多摩エリアの体験や商品を購入できる通販サイト「BALL.DEPARTMENT(ボールデパートメント)」。立川市の委託を受けて、けやき出版が運営しているオンラインショップです。こちらに掲載している商品や体験について、実は情報誌『BALL.』でもお伝えしているのをご存知でしょうか?
今号では、体験コンテンツとして落語やブラインドボクシング、プロ選手とのフットサルなどをご用意。商品コンテンツからは江戸時代からの伝統技法を続ける本藍染製品、廃棄されてしまう柚子を使った「生柚子こしょう」をはじめ多摩の産品が並びます。
多摩エリアの今を伝えるセレクトショップのように、私たち編集者は皆さんに体験や商品を心からおすすめする店員のように、インターネット上に心地よい空間がつくれたらと思っています。その中から今回販売する体験コンテンツの1つを、WEB MAGAZINEでこぼれ話とともにお届けします。
雨が本降りだった取材当日、JR青梅線の中神駅前に降り立つとまちにはひっそりとした空気が漂います。ロータリーから歩いてものの1分ほど、本日のお目当てのお店の扉を開けると一転、別世界が広がっています。絵本からビジネス書までがずらりと並ぶ本棚、センスの良い小物もところどころに。平日の朝10時、雨にも関わらず多くのお客さんで賑わっています。
ここは「マルベリーフィールド」。本屋やカフェ、ギャラリー、サンドイッチ屋が一つになっているお店です。独立系書店といわれる個性的で刺激的な本屋が増えてきた昨今、こちらのお店はどこまでも穏やかな空気が流れていて居心地が良い雰囲気。思わず、取材しに来たことを忘れてコーヒーを飲みながらゆっくりしてしまいそうに…。
経験ゼロからの始まり
注文で入った紅茶を淹れながら、お店全体に気を配りつつも取材に応えてくれた店主の勝澤 光(かつざわ ひかる)さん。聞きたかったのは、これほど多機能なお店が完成した理由。もともとの始まりは、ご両親が「かつざわ書店」を営んでいたこと。そちらを移転する際にお店を承継して、マルベリーフィールドの第一歩がスタートしました。
移転の際に「他の人に貸すか、自分で本屋をやるか」の二択を両親に問われて、意気込んで始めた勝澤さんでしたが、デジタル化やオンライン販売全盛の時代に書店経営は厳しい。もともと経理マンとしてキャリアを積んできた中で始めた書店経営。「実際に事業計画を立てて売上の結果が見えると、自分がいかに良いように数字を考えていたか痛感しましたね」と語ります。
とにかく家族を養うためにも売上を立てることを模索しながら、カフェ、サンドイッチのテイクアウト、ギャラリーと店内の機能が増えていきました。書店経営はもちろん、飲食経験もなかったそうですが、今ではモーニングを食べに来るお客さんで平日朝から賑わっています。
愛される場が生まれる
「目が肥えているお客さんが多いですから、小物1つでもこだわりを大事にしたいです。アルバイトのスタッフも含めて、新メニュー開発はみんなで考えて原価計算まで共有して進めています」
お店の空気の良さは、勝澤さんのこうした想いが浸透した結果のよう。元々、マルベリーフィールドで働いていたスタッフの1人は、地方へ引っ越した今でもリモートで仕事を続けているそうです。お客さんからもスタッフからも愛されているお店ということが伝わってきます。
サラリーマンと経営者、両方を経験してきたからこそ「始める人を応援したい」という勝澤さん。お店を持ちたい、商品を売りたい、だけど何から始めていいのか、どこに相談していいのか分からない。そんな創業0日目な人を対象とした座談会を、マルベリーフィールド地下のギャラリーで開催します。
普段は美味しいモーニングが食べられて、駅からもほど近く、休みなしで営業している人気店の本屋さん。地域の毎日に寄り添ってくれる素晴らしい空間です。そんなお店で少し日常を離れて、創業の第一歩を踏み出すのが今回の座談会です。
自分の得意や好きなことを仕事にしていきたいけど、まだ漠然としているという人も参加しやすいように定員は各回5名だけです。アットホームな空間の中、勝澤さんと1つずつモヤモヤを解消してみませんか。
座談会のご購入・詳細はBALL.DEPARTMENTから(購入ページは2023年5月15日から順次公開予定です)
マルベリーフィールド
https://mulberry-field.com/
昭島市中神町1176-36/JR青梅線中神駅徒歩1分/042-544-3746/月~金7:00~18:00/土日祝9:00~18:00
『BALL.』VOL.6 「川のしごと」は、5月15日(月)発売!
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