多摩エリアには多くのコワーキングスペースやインキュベーション 施設があります。自分に合った空間はどこにあるのか、どこでも働く場所になった今、それぞれの施設の特徴を知ることで、心地よく働ける空間を見つけてみませんか?
多摩エリアのインキュベーション 施設の一つである日野市多摩平の森産業連携センターPlanTでのインタビューから、これからのインキュベーション施設、働く場所について考えます。
多摩平の森産業連携センター PlanT
まちとつながる
開放的なビジネス拠点
PlanTは、JR中央線豊田駅北口から徒歩5分で行くことができる日野市のインキュベーション 施設で、創業を目指す人、企業で働く人クリエイター、地域で活動したい住民や学生など、さまざまな人が新しいことを始める場となっています。
市民だけでなく市外から訪れた人も、利用登録をすれば、無料のラウンジで作業ができたり、電源の完備されたドロップインも、1日800円で利用することが可能です。
また、月額での入居では、個室をオフィスとして利用したり、アドレスフリーのコワーキングスペースの利用もでき、起業やリモートワークへの環境も整っています。
創業支援の取り組みとしては、市と連携して開催されている創業スクールや、専門家への相談、各種セミナーなどを実施しています。また、さまざまな用途に対応できる貸しスペースも完備しているため、利用者が主催するイベントやワークショップなどを実施することも可能となっており、何か新しいことをはじめたい人にとって、活用できる場所となっています。
横並びの位置には、単発でのイベントではなく、実際にお店を持つということのスタートとなる貸しスペースとして、チャレンジショップがあります。
ご自身の働きたい環境を自らつくり、まちの人やお客さんとの接点をつくる上で、活用されています。今回、「Bloom*️bruna」の江尻さんと「ひのたまベース」の坂本さんにインタビューを実施致しました。
チャレンジショップ 入居者へのインタビュー
水やり不要のインテリアグリーンを用いた「壁庭園」を提案する、フラワーデザイナーの江尻チハルさん。
他の起業家との連携やコラボに関して江尻さんは「周りにスペシャルな才能がある方が多いので、これからの新しい提案として必要である」と話します。
その人とだからできることを探してインスタライブを実施したり、自身の講座に来てくれた人とコラボ商品をつくるなど、様々な連携を深めています。
また、季節感やお客さんのニーズに合わせたオーダーにも、プロの知識と高い技術で応えることで、お客さんとの関係性も大切にされています。
気軽に話ができるようなコミュニティづくりをする
不動産業を営む、坂本祐人さん
チャレンジショップ について坂本さんは
「不動産業としての場所に使用するのではなく、スペースを無料で貸したり、クリエイターの商品を委託販売することで事業者のスタートアップに役立てる場所にしたい」と話します。
「信頼関係が築けていない状態では、空き家相談はしてくれない。信頼関係をどのようにつくるかが重要で、そのためにはコミュニティをつくり、普段の何気ないことも話せるような関係をつくることが大切である」という考えを坂本さんは持っていました。
自分だけが得をするのではなく、W I N−W I Nの関係を起業家同士や自分とお客さんとの関係をつくることをとても重要視しているのだと強く感じました。
両者に共通していること→起業家同士の共創関係
いざ起業しようとすると、自分ひとりで全てやらなければならないと考える方は多いと思います。しかしそれ以上に、人の力を借りることも、必要であると感じます。
自分のサービスを拡大させていったり、連携して事業を行うことで、今までになかった新たな価値を生むことができます。
一方で、利用者同士の情報共有は、まだまだ不足しているということがインタビューを通じて分かりました。同じインキュベーション 施設を利用する人でも、どんな人が利用しているのか分からないということは、課題となっていると言えます。
コロナ禍で、利用者交流会などのオフライン開催がなかなか難しくなった中で、インキュベーション 施設がどのような情報共有や交流の環境を整備していくかは喫緊に取り組んでいかないといけないものであると感じます。
多摩エリアの働く環境、理想の働く空間を目指して
今回、BALL. VOL.2「新しい働きかた 100人のトウキョウ」では、多摩地域には多くのインキュベーションやコワーキングスペースをご紹介させていただきました。
他のインキュベーション 施設情報は、こちらの記事をご覧ください。
多くのインキュベーション 施設のそれぞれの特性を理解した中で、ご自身に合った新しい場所を見つけてみてはいかがでしょうか。
多摩のコンシェルジュの必要性
理想の働く場所を考えると、そこには雑談があるように感じます。普段過ごしている中で自分でも気づかないやりたいことが見つかったり、悩んでいることも言葉に出して誰かに話してみることで、モヤモヤが晴れていくことも少なくありません。
雑談から仕事につながる空間、そこに多摩エリアがどんなまちになったらという共通のビジョンを一緒に考えることができる多摩のコンシェルジュ が各インキュベーション 施設にいれば、まさに多摩エリアは新しい場所に生まれ変わるのではと感じます。
編集部 須崎 (PlanT コミュニティマネージャー)
日野市多摩平の森産業連携センター PlanT
日野市多摩平2-5-1 クレヴィア豊田多摩平の森RESIDENCE 1F/
JR豊田駅北口徒歩5分 /042-843-3215