「シカが捕れました!」
1月の肌寒いある日、東京・奥多摩町の地域おこし協力隊であるオクタマニアさんから、奥多摩町に仕掛けた罠にシカがかかっているという連絡をいただきました。
シカが捕れたら取材に行きますと連絡してからわずか6日という、驚異的に短い日数での捕獲。これは取材に行かねば!と、すぐに身支度して奥多摩町に向かうことにしたのです。
注意:シカの捕獲や解体シーンの画像がでてきますので、閲覧ご注意ください。
シカが捕獲されたという現場に向かう
奥多摩町のワナを仕掛けた場所に到着しました。緊張感半端ないです。
上の方で、カサカサと音がするではないですか?!シカのお尻のようなものが見えています。
捕獲された現場に向かいます。ドキドキです。
シカが本当にワナにかかっていました!
あぁ、かわいい..!(と思ってはいけないのかもしれません)
すでに捕獲されてから時間が経過していたため、ぐったりしているかと思いきや、ワナから出ようとして動き回っています。
ちょうどシカの通り道ということでワナを仕掛けたところ、作戦通りにワナにかかったのです。
まさに熟練のなせる技!
今回の罠猟では銃を用いません。
シカの頭を棒で叩いて意識を失ったところに、かかった個体にとどめを刺す「止めさし」という作業が必要です。
喉元にナイフを刺し、失血死させます。
なんか、この瞬間はせつない・・。
しばらく流血した後に息の根が耐えたことを確認します。
一人のときでもシカを引きずりながら運んで行くそう。体力が必要ですね・・。
捕獲されたシカをすぐに解体!
捕獲されたシカは、すぐに解体します。
すでに外は漆黒の暗闇。ライトの明かりだけを頼りに解体していきます。
お尻側と口側の両方の腸び、中から液体が出ないようにします。
ガツガツやるようなイメージですが、血管を切って血が吹き出さないように、慎重に少しずつ切り裂いていきます。
その後、内蔵を取り出すために、お腹を割いていきます。
こちらはレバーです。とても生温かい!最初見たときはドキドキでしたが、解体しているうちに慣れてきてしまいました・・。
極寒の中、何とか無事に内蔵の解体が終了。時間にすると1時間ほどかかりましたが、体力や強い精神力が必要なことがとてもよくわかりました。
一人でこなすのは大変!わな猟もシェアが必要だと感じる
シカが捕獲されただけでもうろたえてしまうのに、一人でシカの刺し止めから運んで解体をこなしてしまったオクタマニアさん。
「どうしたらそんなに一人で出来るようになったんですか?」とお聞きしたところ、「色んな解体講座を受けて、先輩から教えていただいた」とのことでした。
何ごとも経験を重ねていくこと、先人の教えをいい意味で盗み、実践していくことが、狩猟には大切であることがわかりました。
でも、「こんなの一人では無理だよ〜!」という方、ご心配なく。
わな猟も運搬も解体も、すべてみんなでシェアする猟「罠シェアリング」なら、一人ですべて行う必要なんてありません。
シカやイノシシの肉を食べたいけれど、狩りはちょっと・・という方でも罠シェアリングなら、あなたの願いが叶います。
でも、罠シェアリングって一体どんな活動しているの?と気になった方は、新雑誌『BALL.』に特集しておりますので、こうご期待ください。