どーも、どーも、こんにちは&こんばんは!
肉まみれになった前号から早半年!
今回は多摩エリアのさまざまな「場」へお邪魔してきました!編集部タムラです。
突然ですが、皆さん、カフェはお好きですか?
実は私自身、読書をしたりコーヒーを飲んだりのんびり過ごしたりする時間があまり得意ではなく、カフェに訪れる機会は少なかったりするのですが(コーヒーとケーキでゆっくりするなら熱燗とエイヒレでしっぽりしたいタイプ)、そんな私でも「お!」と思ったカフェを今回の特集で紹介しています。2024年1月に東村山市に誕生した「和國商店」です。
多摩エリアにお住まいの方、感度の高い方なら既にご存知かと思うこのカフェ。
世界的に有名な建築家・隈研吾氏がデザイン監修をされたということで、オープン当初も今も話題になっています。
もちろん話題に上がるパワーワード通り、建築もスペシャルティコーヒーも素晴らしい1軒ですが、中でも私が感動したのは“職人技を間近に見られる”という点と、このカフェができるきっかけとなった“板金折鶴”の存在。
取材時に代表の内野友和さんから「家を建てても多くの人が自分の家の屋根を間近で見たことがないので、それを見ることのできる場所、職人技を見てもらえる場所を創りたかった」という話を聞き、なるほど~!確かに~!と思ったのです。
自分の家の屋根がどんな風に作られて、どんな風になっているか、色カタチ含めて知っている人って少ない。私だって見たことないもん!(タムラ家はマンションですが)
「和國商店」の外壁は五角形のジオメトリーを持つ緑青銅板でできているのですが、これは広島県廿日市市の速谷神社で実際に使われていた屋根の廃材を板金職人が熟練の技をもって加工し、再利用したもの。普段は屋根の上でしか見ることのできないような光景を、ここではカフェの外壁として目の前にすることができるのです。
そのあたりの詳しい話や開店に至るまでの内野さんの想いはぜひ誌面をご覧いただくとして…。
ここで紹介したいのは「和國商店」の原点となった「板金折鶴」について。ここからは「和國商店」から車で5分ほどの場所にある「ウチノ板金」へお邪魔し、実際に制作現場を見せていただきました。
「板金折鶴」とは、その名の通り銅板や緑青銅板、真鍮板などを、板金技術を用いて折り曲げて加工し、折鶴のように仕上げたプロダクト。制作の一部を見せていただいたのですが、下書きもせずに感覚だけで板に印を付けてカットし、まるで折り紙を折るかのような軽やかさで、硬い銅板や緑青銅板を“折鶴”に仕上げていく職人さんたち…。カッコイイ。
内野さんは「板金折鶴」のようなプロダクトで付加価値を加えることで職人の技術をアピールし、結果的に職人を憧れの仕事にすることで雇用問題の解決につなげたいと話していました。「板金折鶴」の他にもフランス人ペーパークラフトアーティストがデザインした設計図をもとに、板金技術で銅と真鍮で組み上げたシリーズにも目を奪われたな~。こちらもカッコイイ!
先代や先輩たちが守ってきた技術を自身が継承するだけではなく、次世代につなげてからもさらに続くよう、業界ならではの問題解決や日本の技術を世界にアピールしたいとの思いで生まれている数々のプロダクト。
それが結果的に「和國商店」誕生のきっかけとなり、より多くのさまざまな人の目に触れる場が生まれ、東村山市の小さな商店街に国内外からお客を呼んでいる…というサイクルが本当に素敵だなと思いました。
なかなか普段目に触れることのない異業種の魅力に触れられる「和國商店」。コーヒー好きな方、建築好きな方、デザイン好きな方…きっといろんな人が何かしら「お!」と思えるのでは?という一軒なので、ぜひ『BALL.』誌面も参考に、訪れてみてください!
https://keyaki-s.co.jp/detail/ball-vol-8/